ウツボットのお話

こんにちは。
今回はウツボットの育成考察です。
登場から17年。彼(女)ほど紆余曲折あったポケモンは他にいるだろうか。



ウツボットの基本データ
【タイプ】くさ / どく

【特性】
ようりょくそ(晴れの時、自分の素早さが2倍になる)
・[夢]くいしんぼう(HP1/4以下で発動するきのみを、通常より早く1/2以下になった時点で発動する)

種族値】HP80 攻撃105 防御65 特攻100 特防60 素早さ70


~”鬱ボット”から”打つボット”へ~
ウツボットに関しては、まず初めにこれまで辿ってきた足跡を辿ることなしには始められませんニコニコ大百科の記事に第1世代から詳しく書いてあります。一読の価値あり。

第2世代までは浮き沈みあったものの、第3世代で特性「ようりょくそ」を得ると(晴れという条件付きだが)高速アタッカーの地位を確立。ラフレシアも同じ特性を手に入れましたが、攻撃面と素早さ面でウツボットが勝っています。この調子で徐々に強化がなされるものだと誰もが思っていたことでしょう。

時は流れ、第4世代に突入。ウツボットにとっては激動の世代。この世代から技ごとに物理/特殊が分類されるようになり、これまで主力技だった「ヘドロばくだん」が物理→特殊化。105という種族値を活かせる強力な物理攻撃技がなく、せいぜい「はっぱカッター(笑)」くらい。特殊方面で戦わざるを得ない状況になってしまいました。

しかし、「プラチナ」に入るとその状況は一変。強力なタイプ一致技「リーフブレード」のみならず、先制技「ふいうち」まで習得。物理面でテコ入れがなされ、物理アタッカー・両刀としての道も再び歩むことになりました。

この世代における強化はこれだけで終わりません。「HG・SS」では天候中に恩恵を受ける技「ウェザーボール」を習得。やはり晴れという条件の下ですが、草の通りにくい虫や鋼に大ダメージを与えられるようになったのは大きな進歩といえるでしょう。

第5世代では「リーフブレード」を超える威力が出る草物理最強技「パワーウィップ」を習得。しかし、前作限定となる「ふいうち」との両立ができないのが最大の難点。代償は大きい。
また、「せいちょう」の仕様変更により特攻だけでなく攻撃も上がるようになり、さらに晴れ下では2段階ずつ上がるようになったので晴れパでの使い勝手がさらに向上しました。

このようにして、一度は憂き目を見たウツボットは、対戦環境の第一線とまではいかないまでも、エース級の活躍を魅せることができるまでに上り詰めたのでした。

そして、来る第6世代…


ざっとこれまでの歴史を振り返ってみました。では、ここでようやくウツボットの育成の方針を考えていきましょう。
参考までに、ウツボットと同じ「くさどく」の組み合わせを持つポケモン種族値と共に載せます。

ウツボット 80-105-65-100-60-70

フシギバナ 80-82-83-100-100-80
ラフレシア 75-80-85-100-90-50
ロズレイド 60-70-55-125-105-90
モロバレル 114-85-70-85-80-30

この5匹の中では攻撃が最も高く、毒タイプの中ではドクロッグの106に次ぎ第2位の高さを誇ります。「誇る」という表現がふさわしいほど高くはないんですけどね…。毒タイプは本当に攻撃種族値が高いポケモンがいないのです。
しかし、特攻も負けじと100という数字を保有しているので、物理アタッカー・特殊アタッカー・両刀アタッカーのどれでも活躍できる、攻撃のオールラウンダーといった感じです。ただし、「ふいうち」は是が非でも入れたいので完全なる特殊アタッカーはナシかな…? 攻撃下降補正の「ふいうち」はせっかくの105という数字を殺してしまうので。

一方の耐久はどうでしょうか。防御/特防を総合的に見ると5匹中最下位です。とても打たれ弱く、タイプ不一致の弱点技でも一発で沈むことも珍しくはありません。ですから「きあいのタスキ」が基本アイテムとなります(既に晴れていれば「いのちのたま」などでもアリだと思います)。


特性は2つ。
通常特性は「ようりょくそ」。晴れの時に素早さが2倍になります。この特性を持つポケモンの中では真ん中くらいのランクではありますが、「ウェザーボール」と両立できるのはウツボットだけで、これが確固たるアイデンティティです。

夢特性は「くいしんぼう」。通常よりもはやく、HPが1/2になると持っているきのみを食べる効果を持ちます。BW2で解禁された「カムラのみ」などの”ピンチ系きのみ”を持たせた新たな戦法も生まれましたが、やはり前作限定「ふいうち」との両立ができないという大きな壁が立ちはだかり、なかなか難しいです。



ウツボットの技考察
【物理技】
パワーウィップ 草/威力120(一致180)/命中85/遺伝技/通常攻撃。タイプ一致の強力技。ただし、「ふいうち」との両立は不可です
リーフブレード 草/威力90(一致135)/命中100/ウツボットのみLv技/急所に当たりやすい(急所ランク+1)。安定性と「ふいうち」との両立を求めるならこれ。
タネマシンガン 草/威力25(一致37)/命中100/遺伝技/2~5回連続攻撃。5世代から連続技が強化されました。
ふいうち 悪/威力80/命中100/前作教え技/先制攻撃(優先度+1)。ただし、相手が攻撃技を選択していないと失敗する。ウツボット重要技の一つ。
おんがえし ノーマル/最大威力102/命中100/技マシン/通常攻撃。「どくづき」を覚えないので草技の相性補完にはこれしかないです。

【特殊技】
リーフストーム 草/威力140(一致210)/命中90/ウツボットのみLv技/使用後、自分の特攻が2段階下がる。打ち逃げ技。
ソーラービーム 草/威力120(一致180)/命中100/技マシン/1ターン目でためて、2ターン目で攻撃。晴れ時はためなし。他の天候時では威力半減。晴れパで使う際の主力技。
ヘドロばくだん 毒/威力90(一致135)/命中100/技マシン/30%の確率で相手を毒状態にする。草技が通らない虫・炎・飛行・ドラゴンに対して等倍がとれます。
ウェザーボール 威力50(天候時100)/命中100/遺伝技/晴れの時、実質威力150の炎技になります。
めざめるパワー 威力~70/命中100/技マシン/狙うタイプは氷がベスト。「アンコール」を採用する場合は、「ウェザーボール」との両立が不可能なので、鋼対策として炎タイプでもよいです。

【変化技】
アンコール 命中100/遺伝技/相手が最後に使った技を、3ターンの間繰り返し出させる。相手の行動を縛る優秀な技ですが、無天候では使いにくいです。
リフレクター 技マシン/5ターンの間、相手の物理攻撃のダメージを半分にする。毒タイプで唯一覚えます。後続へのサポートにも。
ねむりごな 命中75/Lv技/相手を眠り状態にする。
つるぎのまい 技マシン/自分の攻撃を2段階上げる。
せいちょう マダツボミウツドン時のみLv技/自分の攻撃と特攻を1段階ずつ上げる。天候が晴れの場合は2段階ずつ上げる。
みがわり 技マシン/自分の最大HPの1/4を削って身代わりを出す。ピンチ系きのみや、「アンコール」「ふいうち」などとの相性がいいです。



▼私のウツボット育成記録

(1)両刀アタッカー

努力値:4-252-0-252-0-0-0

私の場合、普段から主に普通の毒統一を使用している関係で晴れは前提にしていません(極稀に「晴れ毒パ」をやりますが)。
ですから、安全に最低1回行動できるよう持ち物は「きあいのタスキ」です。「ふいうち」でさらに攻撃回数を稼げることも。
「アンコール」は無天候の時は使いづらく、通常の毒パの時は「ねむりごな」に変えたくてしょうがないのですが、遺伝技ゆえにこの枠はカスタマイズできない…。

【ダメージ計算例 ウツボット攻撃側】
リーフブレード
 vsバンギラス(HP252振り)
  64.7%~78.2%(確定2発)

リーフストーム
 vsウォッシュロトム(HP252振り)
  119.7%~142.6%(確定1発)
 vsカバルドン(HD特化)
  81.8%~97.6%(確定2発)

ふいうち
 vsラティオス(HP4振り)
  66.6%~79.4%(確定2発)
  



(2)物理アタッカー

努力値:252-252-0-0-0-4

積みどころが難しいですが、何とか「アンコール」で縛って舞う隙を作りたい。


(3)壁貼りくいしんぼう

努力値:140-0-60-0-184-124

上で「タイプ不一致の弱点技でも一発で沈むことも珍しくはありません」と説明しましたが、耐久に多くの努力値を割いて何が何でも耐えます
当初は防御極振り、素早さに116振って残りをHPに回していましたが、フローゼル(A105)の「れいとうパンチ」が半分も喰らわず、「くいしんぼう」が発動しなかった過去があり、思いきって防御に割く努力値を減らしました。
素早さ124振りは「カムラのみ」発動で90族を抜けます(個体値28)。
この型のおおまかな流れは、「壁貼って舞って攻撃」。水タイプ特殊アタッカーが相手の場合、以下のダメージ計算で示す通り、スターミー・ウォッシュロトムくらいなら頑張れます。

【ダメージ計算例 ウツボット防御側】
・C無補正252振りスターミーのサイコキネシス
  93.6%~110.9%(乱数1発 62.5%)

・C特化ウォッシュロトムのめざめるパワー(氷70)
  55.4%~65.8%(確定2発)

・A無補正252振りフローゼルオーダイルのれいとうパンチ
  50.8%~60.1%(確定2発)
  すなわちA104以下の不一致「れいとうパンチ」は特性発動圏内まで削られないことがあります。
【ダメージ計算例 ウツボット攻撃側】
リーフブレード
 
 
 vsスターミー(HP4振り)
  89.7%~107.3%(乱数1発 43.8%)

 vsウォッシュロトム(HP252振り)
  A±0で64.9%~76.4%(確定2発)




これでウツボットのお話は終わりです。
読んでいただきありがとうございました。


最終更新日:2013/9/24