ゲンガーのお話

こんにちは。
今回は初代からお馴染みのゲンガーを考察してみたいと思います。

▼ゲンガーの基本データ
【タイプ】ゴースト / どく

【特性】
ふゆう(地面タイプの攻撃が当たらない)
夢特性も「ふゆう」

種族値HP60 攻撃65 防御60 特攻130 特防75 素早さ110

「ゴースト・毒」という(現在のところ)固有のタイプの組み合わせを持つポケモン。特性も相まって実に3つのタイプを無効とします。

初代~3世代まではゴーストも毒も物理扱いだったので、タイプ一致技を高火力で繰り出すことはできませんでした。その代わりに3色パンチがまだ特殊技だったので攻撃範囲はそこそこ広かったようです。第3世代では特性「ふゆう」を手に入れ、弱点の地面タイプを克服しました。どう見ても地に足がついているんですけどね。
ところが、第4世代に入り、技ごとに物理/特殊が分類されるようになると、ゲンガーの価値は急上昇。C130から発せられる「シャドーボール」は強烈なものに。「きあいだま」というサブウェポンも獲得し、実質的にネタ化へ転じた3色パンチを充分に補えるほどのスペックが備わりました。
第5世代ではあらゆるポケモンが軒並み「隠し特性(夢特性)」を手に入れる中、ゲンガーを始めとする「浮遊組」はそれを手に入れることは叶いませんでした。それでもなお毒統一のみならず、ガチ環境でも充分に通用する実力の持ち主なのは間違いないです。

ゲンガーの育て方には大きく分けて次の2通りあると言えます。
(1)高いCSと豊富なサブウェポンを活用した特殊アタッカー型
(2)高いSと豊富な補助技を活用したトリッキーな型

折角のS110ですから何をするにしてもS上昇補正+全振りにしておくのが良いと思います。
まず(1)についてですが、習得できる技のタイプが多岐にわたっていて、選択に迷うことでしょう。実は、シャドーボール」と「きあいだま」の2つさえあれば、17タイプ全てに等倍以上のダメージを与えることができます(XYから新追加のフェアリーはまだ分かりませんが)。ゆえに、この2つは必須とも言えます。ですから、残りの2枠は「どうしてもゲンガーで倒したい!」と思うポケモンに有効となる技を自分で考えてチョイスしましょう。しかし、私は攻撃技を3つにして、残り1つに好きな補助技(「タスキ」持ちならば「みちづれ」、こだわり系持ちならば「トリック」)を入れることをお勧めします。「カウンター」はなおさらお勧めですが、入手困難なのがネックですね。

Cが高いとは言いましたが、過信はできません。メインウェポンの威力が80(一致で120)しかないので想像以上にダメージが入らないことが多いです(下のダメージ計算例参照)。

この型では多くの場合、持ち物が「きあいのタスキ」になると思います。天候によるダメージでタスキが潰れるのは痛いところです。砂パや霰パには積極的に出していくことができません。

(2)について。これは広義には「ヘドゲン」と呼ばれる型です。「みがしば」で相手の動きを制限したり、「おにび」によって物理の弱体化を狙ったり様々な用途で使われていますが、私は(1)のほうに強いこだわりを抱いているので(2)は全く使用したことがありません。ヘドゲンについて調べるためにこのページに辿りついた方、ごめんなさい。
グーグル先生によると、「H100・B156・S252」という調整が最も一般的なようです。


▼ゲンガーの技考察
【物理技】
[あると超便利!]
カウンター 格闘/命中100/エメラルド限定教え技/直前に受けた物理攻撃を2倍にして跳ね返す。警戒されることもなく決まりやすく、通常は対処しにくいメタグロスハッサムなども倒せます。

[あると便利なんだけど微妙なライン]
ふいうち 悪/威力80/命中100/Lv技/先制攻撃(優先度+1)。ただし、相手が攻撃技を選択していないと失敗。物理ゆえにタスキ潰し程度にしかなりません。

[その他の物理技]
シャドーパンチ・シャドークロー・きあいパンチ・かわらわり・かみなりパンチ・ほのおのパンチ・れいとうパンチ・だいばくはつ

【特殊技】
シャドーボール ゴースト/威力80/命中100/Lv技・技マシン/20%の確率で相手の特防を1段階下げる。メインウェポンにしては威力が低めなので期待以上にダメージが入らないことも。事前のダメージ計算が大事。
ヘドロウェーブ 毒/威力95/命中100/PDW限定/10%の確率で相手を毒状態にする。
ヘドロばくだん 毒/威力90/命中100/技マシン/30%の確率で相手を毒状態にする。
正直、毒技はなくても全然問題ありませんし、むしろ技スペを圧迫するだけなのでお勧めはしません。
きあいだま 格闘/威力120/命中70/技マシン/10%の確率で相手の特防を1段階下げる。命中に難アリだが重要なサブウェポン。
かみなり 電気/威力120/命中70/技マシン/30%の確率で相手をまひ状態にする。
10まんボルト 電気/威力95/命中100/技マシン/10%の確率で相手をまひ状態にする。
半減実を持つH振りギャラドスを1発で倒すには「かみなり」。H振りスイクンは「かみなり」だと確定2発だが、「10まんボルト」だと乱数2発(それでも76.2%)になることを踏まえて選択しましょう。
エナジーボール 草/威力80/命中100/技マシン/10%の確率で相手の特防を1段階下げる。
ギガドレイン 草/威力75/命中100/技マシン/与えたダメージの半分を回復する。
H振りウォッシュロトムはどちらも確定2発。H振りラグラージはどちらも乱数1発。ヘドロ前提なら回復するギガドレインを採用するのがよいか。
こごえるかぜ 氷/威力55/命中95/教え技/相手の素早さを1段階下げる。めざパ(氷70)よりも重要度は高いです。めざパ(氷70)の場合、HP4振りのガブリアスまでならぴったり確定1発ですが、それ以上耐久に振られていると耐えられることがあるので、素早さを下げる効果のあるこの技の方が有用性が高いです。やはり自分より速いドラゴンをも狩れるというのが強み。もちろん(タスキ前提で)りゅうまいマルスカイリューも。
めざめるパワー 威力~70/命中100/おすすめタイプは炎。H振りハッサムが確1、H振りナットレイが確2の計算。ウルガモス対策の意味で岩という選択肢もあり。

【変化技】
さいみんじゅつ 命中60/Lv技/相手を眠り状態にする。低命中ゆえ微妙。
あやしいひかり 命中100/Lv技/相手を混乱状態にする。いやがらせ目的なら催眠よりも安定。
みがわり 技マシン/HPの1/4を削って身代わりを出す。ヘドゲンに必須の技。用途は様々。
かなしばり 遺伝技/直前に相手が使った技を4ターンの間使えなくする。いわゆる「みがしば」に。こだわり系持ちを機能停止に追い込む。
ちょうはつ 命中100/技マシン/相手を攻撃技しか出させなくする。耐久型を機能停止に追い込む。
みちづれ Lv技/この技を使った後に相手の攻撃で瀕死になると、相手も瀕死になる。強力ですがかなり読まれやすいので要注意。
ほろびのうた 遺伝技/使った時にバトルに出ていた全てのポケモンは、3ターン後に瀕死になる。
のろい ゴースト/Lv技/自分のHPを1/2減らして、相手のHPを毎ターン1/4減らす。
どちらも「必中」「みがわり貫通」という強みを持っています。どうしようもない耐久型に一矢報いることができます。
おにび 炎/命中75/技マシン/相手をやけど状態にする。命中が不安ですが、当てれば後続に有利な状態で繋げることができます。
トリック 教え技/相手と自分の持ち物を入れ変える。こだわり系アイテムやくろいヘドロを押しつけるために。

▼私のゲンガー育成記録
(1)特殊アタッカー型[みちづれ搭載]

努力値:4-0-0-252-0-252

オーソドックスな技のチョイスのゲンガー。初めは「10まんボルト」を搭載していましたが、ラティオスやスターミーを安定して狩りたいので「こごえるかぜ」にチェンジしました。「みちづれ」読みでゲンガーより速いポケモンに交代してくることが多いので、そういう場面でも「こごえるかぜ」によるSダウン効果が上手い具合に作用してくれます。

カイリューはゲンガーで倒せます(断言)。「りゅうのまい」のSアップを「こごえるかぜ」で打ち消すことができるし、さらに「しんそく」は無効です。カントーカップの際には本当にゲンガーが役立ちました。

【ダメージ計算 ゲンガー攻撃側】
シャドーボール
 vsラティオス(HP4振り)
  82%~97.4%(確定2発)
 vsヤドラン(HP252振り)
  83.1%~98%(確定2発)
 vsサマヨール(HP252振り、しんかのきせき
  50.3%~61.2%(確定2発)
 vsシャンデラ(HP252振り)
  91%~107.7%(乱数1発 43.8%)
 
 vsゴルーグ(HP252振り)
  85.7%~101%(乱数1発 6.3%)

こごえるかぜ
 vsラティオス(HP4振り)
  37.1%~44.8%(確定3発)
 これら2つの技を併用すれば確定でラティオスを狩れます。
 vsガブリアス(HP4振り)
  78.2%~93.4%(確定2発)
 vsボーマンダ(HP4振り)
  91.2%~107.6%(乱数1発 43.8%)
 vsカイリュー(HP252振り)
  マルチスケイル発動で32.3%~38.3%
  マルチスケイルなしで64.6%~76.7%
 

  
きあいだま
 vsヒードラン(HP252振り)
  66.6%~78.7%(確定2発)
 vsバンギラス(HP252振り、すなあらしでD1.5倍補正)
  88.8%~106.2%(乱数1発 37.5%)

(2)特殊アタッカー型[カウンター搭載]

努力値:4-0-0-252-0-252

上記(1)の技のうち、「みちづれ」を「カウンター」にしただけで他は同じです。カウンターはまず読まれることはなく、メタグロスハッサムなど、ちょっと難しい物理をも1撃で倒すことが可能です。1回だけウインディに「かえんほうしゃ」を打たれてカウンターが不発に終わった、なんていうことがあったので、物理/特殊どっちも有り得るようなポケモンが相手の場合は要注意です。

「みちづれ」と「カウンター」を併用すれば(初心者が相手なら)楽々2体倒せるので楽しいですよ。

(3)状態異常有効活用型

努力値:4-0-0-252-0-252

C130の割にはメインウェポンであるシャドーボールの威力は80。
・・・実は、威力が100を超える、タイプ一致技があるんですよ。それは、「たたりめ」! この技ご存知でしたか?
「たたりめ」は、相手が状態異常のとき、威力が通常50のところ、倍の100(一致で150)になり、シャドーボールよりも強力なものになります。以下のダメージ計算で示す通り、従来のシャドーボールでは倒しきれない敵も倒せるようになるのです!
基本的には事前に誰かに「どくどく」なり「どくびし」なりを撒いてもらいます。あとは毒を負った相手にゴリ押していくだけ。「どくびし」をかわされたラティ対策に「さいみんじゅつ」を搭載するも、①同速対決に制する(50%・相手がスカーフ持ちのこともあるだろうから先手が取れる確率はかなり低いか)②さいみんじゅつを当てる(60%)という2つの関門を突破して初めてスタートラインに立てるという非常に運命力が求められる行動であるので……はい。

【ダメージ計算 ゲンガー攻撃側】
たたりめ(相手が何らかの状態異常のとき)
 vsラティオス(HP4振り)
  101.2%~120.5%(確定1発)
 vsヤドラン(HP252振り)
  101.9%~121.7%(確定1発)
 vsサマヨール(HP252振り、しんかのきせき
  62.5%~74.8%(確定2発)
 vsシャンデラ(HP252振り)
  111.3%~132.9%(確定1発)
 
 vsゴルーグ(HP252振り)
  105.1%~125.5%(確定1発)


(4)物理型

努力値:4-252-0-0-0-252

パンチするゲンガーって想像するだけで可愛い。
ゆえに育てました。

【ダメージ計算 ゲンガー攻撃側】※こだわりハチマキ込み ←これ重要
ほのおのパンチ
 vsハッサム(HP252振り)
  94.9%~112.9%(乱数1発 68.8%)

れいとうパンチ
 vsガブリアス(HP4振り)
  95.6%~113%(乱数1発 75%)

シャドークロー
 vsラティオス(HP4振り)
  88.4%~105.1%(乱数1発 37.5%)


ゲンガーのお話はこれにてお終いです。ご覧いただきありがとうございました。

最終更新日:2013/6/25