ドラピオンのお話【育成考察&記録】

こんにちは。
今回はドラピオンについて考えていきます。
腕がグレープ味のメントスの集合体のように見えるのは私だけではないはず。


ドラピオンの基本データ
【タイプ】どく / あく

【特性】
カブトアーマー(相手の攻撃が自分の急所に当たらない)
スナイパー(急所に当てた時、ダメージが2.25倍になる)
・[夢]するどいめ(命中率を下げる効果を受けない。また、相手の回避率を無視して攻撃できる)

種族値HP70 攻撃90 防御110 特攻60 特防75 素早さ95

第4世代初登場のポケモン。サソリがモチーフのポケモンで、進化前のスコルピはちゃんと「むし」・どくタイプでした。進化すると虫タイプが消える代わりに悪タイプが付き、耐性が一気に向上し、弱点は地面タイプのみとなりました。

全く同じタイプの組み合わせのポケモンに、スカタンクという最大のライバルが存在します。私に限らず、毒統一を組む人なら必ずと言ってよいほどスカタンクドラピオンを手持ちに入れることでしょう。スカタンクドラピオンのどちらを選択するかという判断基準は人それぞれだと思いますが、私の場合は、耐久/火力(補強)を両立できるからという理由からドラピオンを好んで使っています。見た目がかっこいいからという理由もあります。
スカタンクドラピオンのお勧めの役割や技などの違いについてはスカタンクのお話で詳しく書いたので、そちらもあわせてご覧ください。

通常特性は2つ。守りの「カブトアーマー」と攻めの「スナイパー」
カブトアーマー」は絶対に急所に当てられることがないというとても優れた特性で、運命力だけに頼って突破しようとしてくる相手を泣かせることができます。耐久を活かした戦法をとるならこの特性を採用するのが好ましいです。よくある「せっかく積んだのに急所に当てられて何も攻撃できなかった」なんていうことに悩まされることがないので、安心して積み技が使えます
ちなみに、絶対に急所に当てる技「こおりのいぶき」・「やまあらし」(矛)絶対に急所に当てられない特性「カブトアーマー」・「シェルアーマー」(盾)によるホコタテ対決は、が制します


スナイパー」は急所に当てた時にダメージが増えるというものなのですが、世代が進むにつれ弱体化している、悲しき特性なのです。
第4世代では4倍、第5世代では3倍、第6世代では2.25倍。これじゃ第5世代の素の急所倍率に毛が生えた程度のダメージです。

同じスナイパー毒ポケモンアリアドスとスピアーがいますが、能力値の面ではこれらの上位互換になります。技の面では、スピアーは「ドリルライナー」しか相性のいい技を覚えないので比較対象にはなりませんが、アリアドスは「つじぎり」と「クロスポイズン」を覚え、ドラピオンと丸被りです。しかし、ドラピオンは「つじぎり」をタイプ一致で使え、さらに3色キバや「じしん」なども覚えられて攻撃範囲が非常に広いので、あらゆる敵に運ゲーを仕掛けることが可能となります。アリアドスに「ふいうち」があるのが憎い。

夢特性は「するどいめ」です。相手の攻撃(の追加効果)によって命中率が下がらないだけでなく、第6世代では新たに「相手の回避率に関係なく攻撃できる」効果も追加されました。とはいえ通常特性に比べれば採用の価値は少なさそうです。


★第5世代における「スナイパー」についての補足説明です。
以前、アリアドスのお話で、スナイパー型には「するどいツメ」を持たせた方がいいのか、それとも火力アップ系のアイテムを持たせた方がいいのかをダメージの期待値でもって示しました。
今回、ドラピオンは急所に当たりやすいが威力70の「つじぎり」と、急所に当たりやすいという効果はないが威力80の「かみくだく」を覚えます。また例によって期待値を計算することでどちらの技を採用するのがよいのかを導き出したいと思います。

「つじぎり」はタイプ一致補正込みの威力が105で、急所ランク+1(1/8の確率で急所に当たる)、「かみくだく」はタイプ一致補正込みの威力が120で、急所に当たる確率は通常通り1/16です。なお、すべて特性は「スナイパー」で考えます。
【1】持ちもの無しの時の「つじぎり」と「かみくだく」の威力の期待値
つじぎり …(7/8)×105+(1/8)×(105×3)=131
かみくだく…(15/16)×120+(1/16)×(120×3)=135
つじぎり < かみくだく」という結果になりました。

【2】ピントレンズ(するどいツメ)を持たせた時のそれぞれの威力の期待値
ピントレンズは急所ランクを+1にするアイテムで、これを持たせたとき、「つじぎり」が急所に当たる確率は1/4にまで上昇します。「かみくだく」は1/8になります。
つじぎり …(3/4)×105+(1/4)×(105×3)=157
かみくだく…(7/8)×120+(1/8)×(120×3)=150
この場合は【1】とは逆のつじぎり > かみくだく」という結果になりました。
ピントレンズを持たせるなら「つじぎり」の方が大ダメージを期待できることになります。


【3】それでは、「たつじんのおび」や「いのちのたま」といった火力アップ系のアイテムを持たせるとどうでしょうか。
「たつじんのおび」は効果抜群の場合のみ技の威力が1.2倍になりますが、便宜上「効果抜群による威力の上昇(2倍・4倍補正)」は無視します。
つじぎり …(7/8)×(105×1.2)+(1/8)×(105×1.2×3)=157
かみくだく…(15/16)×(120×1.2)+(1/16)×(120×1.2×3)=162
つじぎり < かみくだく」という結果になりました。

「いのちのたま」やそれ以上の「こだわりハチマキ」を持たせた場合の結果も何となく想像できると思うので結果だけ記すと、
つじぎり …「いのちのたま」:170 「こだわりハチマキ」:196
かみくだく…「いのちのたま」:175 「こだわりハチマキ」:202
やはり「つじぎり < かみくだく」になります。

以上【1】~【3】の結果から、総じて「かみくだく」のほうが高威力が期待できるということが言えます。しかし、あくまでも「期待値」にすぎませんから、【2】のようにピントレンズなどを持たせて急所というポケモン界における異常現象に掛けてみるのも面白いと思うので、是非ご一考ください。


特性の説明がものすごく長くなってしまいましたが、ここで種族値を眺めながらどんな風に育成するのがよいのか考えていきましょう。
攻撃は90で、同タイプのスカタンクに比べると3だけ低いです。スカタンクと言えば、特化「かみくだく」でH4振りラティオスが中乱数1発ですから、ドラピオンが同じようにAに特化して「かみくだく」をすれば・・・どういうことかはお分かりですよね。
要するに、単なるアタッカーで育てるとスカタンクの劣化になります。しかもアイツ(スカタンク)には先制技「ふいうち」があります。憎いですね。
でも技の豊富さではアイツには勝っていますから攻撃範囲は広いし・・・では、どうしましょう。
そうです、積み技を使うのです!
最初から耐久に特化したうえで、「つるぎのまい」で火力補強すればアイツを上回る突破力を作り出すことができるのです。ただし、回復技は「ねむる」しかないので長居はできません。

耐久を見ると、防御は110で、物理耐久面ではマタドガス並みの硬さを誇ります。特殊耐久は決して高いとは言えませんが、絶望的な程でもありません。
それではマタドガスのように物理防御に特化してしまおう!とすると実はもったいないのです。それはなぜかというと、ドラピオンの場合はタイプ的にエスパーやゴーストに対して有利だからです。エスパーやゴーストと言えばそのほとんどが特殊寄りですよね。ですからむしろ特防に厚くした方が効率的なのです。
何故マタドガスが物理特化の方がメジャーかと言うと、(物理寄りの)格闘受けとして非常に優秀だからです、と説明すればなるほどと思って頂けるでしょうか。

素早さ種族値95で、その重たそうな見た目とは裏腹に意外にも速いのです。毒ポケモンの中ではクロバットペンドラー、ゲンガー、ドククラゲに次いで5番目の速さです。その速さを活かして先発で「どくびし」を撒いたり「はたきおとす」で妨害(第6世代で威力アップ!)したり「あやしいひかり」で嫌がらせしたりすることもできますが、実はこれらの技はすべてドククラゲもできてしまうことにお気付きでしょうか。でも、タイプも違えば弱点も違うし、「カブトアーマー」なら補助技使用中に急所で沈むこともなく、あらゆる面で既に差別化は図れているので気にする必要はありません。

まとめると、ただ単にゴリ押すよりも、多彩な補助技も取り入れつつ攻撃するのが良いだろうというのが私の考えです。


ドラピオンの技考察
【物理技】
かみくだく 悪/威力80(一致120)/命中100/Lv技/20%の確率で相手の防御を1段階下げる。
つじぎり 悪/威力70(一致115)/命中100/Lv技(BW1は遺伝のみ)/急所に当たりやすい(急所ランク+1)。
メインの悪技は上記2つから選択。既に説明した通り、「かみくだく」の方が安定していますが、「ピントレンズ」などで急所を狙うのが目的であれば「つじぎり」が良いです。
おいうち 悪/威力40(一致60)/命中100/(BW1は遺伝のみ)/相手が交代しようとしたとき、威力が倍の80(一致120)になる。逃げそうなエスパーやゴーストポケモンを狩れます。
はたきおとす 悪/威力65(一致97、相手が持ち物所有なら一致込み145)/命中100/Lv技/相手の道具を持っていない状態にする。こだわりアイテムや「しんかのきせき」をなくせば有利に進められます。ただし、メガストーンは叩き落とせないので注意(1.5倍補正はかかる)。
どくづき 毒/威力80(一致120)/命中100/技マシン/30%の確率で相手を毒状態にする。
クロスポイズン 毒/威力70(一致115)/命中100/Lv技/10%の確率で相手を毒状態にする。また、急所に当たりやすい(急所ランク+1)。
毒技は上記2つから選択。悪技と同様に、急所狙いなら「クロスポイズン」、そうでなければ「どくづき」が安定。フェアリータイプ登場により、毒技も候補に入れても良いか。
じしん 地面/威力100/命中100/技マシン/通常攻撃。優秀なサブウェポン。抜群範囲がとても広い。
いわなだれ 岩/威力75/命中90/技マシン/30%の確率で相手をひるませる。飛行・虫など、こちらも結構広範囲。速いのでひるみチャンスも多い。
ほのおのキバ 炎/威力65/命中95/Lv技/10%の確率で相手をひるませる。また、10%の確率で相手をやけど状態にする。
かみなりのキバ 電気/威力65/命中95/Lv技/10%の確率で相手をひるませる。また、10%の確率で相手をまひ状態にする。
こおりのキバ 氷/威力65/命中95/Lv技/10%の確率で相手をひるませる。また、10%の確率で相手をこおり状態にする。
3色キバは威力が低いので基本的には4倍弱点に打つことになります。

【変化技】
どくびし 毒/Lv技/相手がポケモンを出すと毒状態にする。2回使えば猛毒状態。「どくびし」撒きのなかでは3番目の速さ。
あやしいひかり 命中100/遺伝技/相手を混乱状態にする。嫌がらせにどうぞ。
ほえる 技マシン/相手を強制交換する。優先度-6。「どくびし」を撒いた後に強制交換したり、積む相手を流したり。ただし、「ぼうおん」特性には無効。
ふきとばし 遺伝技/相手を強制交換する。優先度-6。目的は「ほえる」と同じですが、特性によって無効化されない利点があります。
ちょうはつ 命中100/技マシン/3~5ターンの間、相手の変化技を使えなくする。耐久型を機能停止に追い込みます。
つるぎのまい 技マシン/自分の攻撃を2段階上げる。火力増強に。
こうそくいどう 技マシン/自分の素早さを2段階上げる。1回積むだけで多くのポケモンを抜けます。
つぼをつく Lv技/自分のA・B・C・D・S・命中率・回避率のうち、いずれか1つを2段階上げる。運ゲー好きの方へ。
ねむる 技マシン/HPと状態異常を全て回復し、2ターンの間眠り状態になる。唯一の回復手段。「つぼをつく」を積んだ後に。


▼私のドラピオン育成記録
(1)特殊耐久型

努力値:252-0-4-0-252-0
長きにわたって使っているお気に入りのドラピオン。高個体値だったのでスナイパーで妥協しました。
ドラピオンは基本的に特防特化が一番使いやすいと思っています。以下のダメージ計算を見て分かる通り、特殊ゴースト・エスパー(毒統一の天敵)には滅法強いです。彼らがサブウェポンとして持っていそうな「きあいだま」も余裕で受け切ります。特殊電気にもまあまあ強いです。
物理耐久は、もともと高い数字を持っているとは言え、過信はできません。

【ダメージ計算 ドラピオン攻撃側】
かみくだく
 vsランクルス(HP252振り)
  A+2で96.7%~114.2%(乱数1発 81.3%)
 vsクレセリア(B特化)
  45.8%~55.5%(乱数2発 59.4%)

いわなだれ
 vsサンダー(HP252振り)
  A+2で60.9%~72%(確定2発)

じしん
 vsメタグロス(HP252振り)
  A+2で59.8%~70.5%(確定2発)
【ダメージ計算 ドラピオン防御側】
・C無補正252振りゲンガーのきあいだま
  33.8%~40.1%(確定3発)
・C無振りクレセリアれいとうビーム
  C+1で20.9%~24.8%(確定5発)
・C特化シャンデラだいもんじ
  59.8%~71.1%(確定2発)
・A特化メタグロスのコメットパンチ
  60.6%~72.4%(確定2発)
・同バレットパンチ
  24.8%~29.6%
・同じしん
  81.3%~96.5%(確定2発)


(2)こうそくいどう

努力値:164-252-0-0-0-92
攻撃全振り、そして素早さは1回「こうそくいどう」を積むとスカーフガブリアスが抜ける調整をして、残りをHPに振りました。素早さ95族と元々速いので、必要努力値が少なく済み、多くを耐久に回せます。使ってみた感想としては、「①火力不足 ②1回は耐えることが多いが、先制技持ちに弱い」。

【ダメージ計算 ドラピオン攻撃側】※すべて「たつじんのおび」込み
かみくだく
 vsラティオス(HP4振り)
  107.6%~129.4%(確定1発)

じしん
 vsメタグロス(HP252振り)
  50.2%~60.4%(確定2発)

こおりのキバ
 vsガブリアス(耐久無振り)
  89%~104.9%(乱数1発 18.8%)
【ダメージ計算 ドラピオン防御側】
・C無補正252振りラティオスりゅうせいぐん
  92.1%~108.4%(乱数1発 50%)
・A特化メタグロスのコメットパンチ
  54.2%~63.8%(確定2発)
・同バレットパンチ
  21.6%~25.9%
・A特化オノノクスのじしん
  75.9%~90.3%(確定2発)


(3)スナイパー急所狙い型

努力値:0-252-0-0-0-252

【ダメージ計算 ドラピオン攻撃側】
つじぎり
 vsラティオス(HP4振り)
  243.5%~288.4%(確定1発)
 vsシャンデラ(HP252振り)
  204.7%~241.9%(確定1発)
 vsサマヨール(B特化・しんかのきせき
  91.1%~110.2%(乱数1発 50%)

じしん
 vsメタグロス(HP252振り)
  127.2%~150.8%(確定1発)
 vsバンギラス(HP252振り)
  132.3%~156.5%(確定1発)

ほのおのキバ
 vsナットレイ(HP252振り)
  174.5%~205.5%(確定1発)

かみなりのキバ
 vsギャラドス(HP252振り)
  235.6%~279.2%(確定1発)
 vsクロバット(HP252振り)
  121.8%~143.7%(確定1発)

※すべて急所時のダメージ計算です。当社比3倍。

(4)つぼをつく運ゲー

努力値:252-0-4-0-252-0
ドラピオンの つぼをつく!
ドラピオンの とくこうが ぐーんとあがった!


(5)なげつける型

努力値:252-0-0-0-252-4
「かえんだま」を投げつけることで相対的に自分の防御を上げることができます。気をつけるべき点は、後出しすると自分がやけどを負ってしまうこと。そのため、先発に出すのが望ましいです。
基本的な立ち回り方は、①なげつけてやけどを負わせる ②ダメージ被弾 ③「どくびし」を撒く。大抵の場合、最低でもここまでは仕事ができます。体力に余裕があれば「ふきとばし」をして、さらに相手のアイテムを「どろぼう」して妨害することもできます。
ちなみに、「かえんだまなげつける」の威力はたったの30(一致で45)です。

COLUMN ~なげつけるの威力(抜粋)~
威力130・・・くろいてっきゅう(ただし、Sダウン)
威力100・・・かたいいし・化石類


(6)特殊耐久型【XY】
(1)と同じ型を第6世代で育成し直しました。当然特性は「カブトアーマー」のほうで。




以上でドラピオンのお話はおしまいです。ご覧いただきありがとうございました。
余談ですが、虫・毒タイプと勘違いしているせいか、実はドラピオンサイコキネシスを打ってくる方が結構います。
ドラピオンのタイプが認知されていないことはショックですが、1ターンを無駄にしてくれているので内心とても喜んでいます(笑)


記事投稿日:2013/5/14
最終更新日:2014/2/2 一部XY対応