【育成考察&記録Vol.9】スカタンクのお話【毒統一ORAS】

こんにちは。
今回はとってもくさいスカタンクについて考察していきます。
大変危険ですのでご覧の際には防護マスクをご着用ください。


スカタンクの基本データ
【タイプ】
どく・あく


【特性】
あくしゅう 相手にダメージを与えた時、10%の確率でひるませる
ゆうばく 接触技を受けて瀕死になったとき、自分の最大HPの1/4のダメージを相手に与える
・[隠]するどいめ 命中率を下げる効果を受けない

種族値
HP103 攻撃93 防御67 特攻71 特防61 素早さ84


第4世代より登場したポケモン。くさいキャラクター、地味な見た目(毒ポケモンって大体そうだけど)、それにダイヤモンドでしか出ないこともあって存在感・認知度・人気ともに薄い(低い)印象があります。同時代に登場した、全く同じタイプの組み合わせを持つドラピオンのほうが見た目がカッコいいし、使える技も多彩だしますますドラピオンの存在の影に隠れてしまっている感が否めません。

私の場合、毒統一をやる以上、弱点である地面とエスパーの対策を怠ることはできません。とりわけエスパー対策となると、自然とパーティにドラピオンスカタンクを入れることになりますが、私はドラピオンの使用率が高いです。これは毒統一初期からの傾向ですね。

そこで、今回は永遠のライバルであるドラピオンとの役割・技の違いを明確に示しながら育成の方針を考えていくことにしましょう。


まずは特性を見ていきます。
通常特性は「あくしゅう」と「ゆうばく」ですが、この組み合わせ、どこかで見た記憶があるな・・・!と思ったあなたは毒ポケマスターです。そう、ダストダスもこの2つの特性を持っていますね。くさい毒ポケの象徴となる特性と言えるでしょうか。

あくしゅう」は10%の確率で相手をひるませるという効果が第5世代で追加されたので、実戦でも充分に採用できる特性になりました。第4世代から存在していた(らしい)スカーフスカタンク(縮めてスカフタンク?)がさらに強化されたということになります。ただし、あくまでも10%ですので、過信は禁物「ひるんだら超ラッキー」程度だと思っていてください。ちなみに、特性「あくしゅう」を持つ他のポケモンダストダスベトベトンクサイハナ)よりも素早さ種族値は高いので、スカーフを持たせなくても特性が発動する機会は多いかと思います。

ゆうばく」は接触技を受けて瀕死になった時に最大HPの1/4を与えるというものです。ダストダスにも言えますが、決定力にやや乏しいスカタンクにとっては死に際の1/4ダメージというのは非常においしいです。この特性のおかげで接触技の使用を相手に躊躇させるということもありません。ちなみに、お互いラス1の場面では、こちらが瀕死になった瞬間に「ゆうばく」が発動し、先に相手が倒れるのでこちらの勝ち判定になります。とても優秀な特性なので、通常はこちらの特性が選ばれることが多いです。

夢特性は「するどいめ」です。相手の攻撃(の追加効果)によって命中率が下がらないというものですが、お察しの通り、完全なる死に特性ですので間違っても採用してはいけません。余談ですが、ドラピオン夢特性もこれです。通常の特性が恵まれているために夢特性をわざと実用的でないものに設定したのですかね。許せん。
・・・
というのも今は昔、第6世代でまさかの効果追加。相手の回避率に関係なく攻撃ができるようになりました。多少は有用になった・・・のでしょうか。


次に種族値ですが、ドラピオンのそれと並べてみます(H-A-B-C-D-Sの順番)。

スカタンク:103-93-67-71-61-84
ドラピオン:70-90-110-60-75-95


攻撃はわずかにスカタンクが上回っていて、素早さはドラピオンのほうが高いです。特攻はスカタンクの方が上。以上は、数字を見比べただけですぐに分かります。では、耐久面はどうでしょうか。Lv50・BD無補正・耐久無振り・HBD個体値Vという条件下での耐久力指数を比べてみましょう。

スカタンク:物理耐久指数15486 特殊耐久指数14418
ドラピオン:物理耐久指数18850 特殊耐久指数13775


物理耐久はドラピオンの方が高いですが、特殊耐久はスカタンクの方がやや高いことがわかりました。単純に数字を合計しただけの見方をすれば、ドラピオンの方がより耐久向けと言えるでしょう。毒統一初心者ならスカタンクをアタッカーとして、ドラピオンを耐久剣舞アタッカーとして育てれば間違いないと思います。

ちなみに、スカタンクの場合、HPが極端に高く、BやDが極端に低いので、HPに252振るよりもHBDに84ずつ振り分けた方がわずかに硬くなるそうです(BD無補正・HBD個体値V)。

次に、両者の覚える主な技の比較です。
攻撃技に限って言えば、覚える技のバリエーションはドラピオンの方が多いです。言い換えれば、ドラピオンの方が攻撃の範囲は広いと言えるでしょう。しかし、ドラピオンは先制技を一切覚えず、対してスカタンクは「ふいうち」をタイプ一致で使えます。優先度の高い「フェイント」も覚えます。そして、スカタンクには「だいばくはつ」や「おきみやげ」といった自主退場技がありますが、ドラピオンのように積み技(注1)や撒き技を覚えることはできません。さらに、ピンポイントなお話になりますが、スカタンクは特攻がそこそこ高く、「だいもんじ」を覚えるので鋼タイプへの有効な対抗手段を有していますドラピオンの炎技は「ほのおのキバ」しかないので、B>Dが顕著な鋼を安定して狩ることは難しい)。

(注1)一応スカタンクは技マシンで「つめとぎ」を覚えますが、ドラピオンの「つるぎのまい」に劣る上、命中率上昇の大きな恩恵を受ける技がないので「実質的に覚えられない」と位置付けています。

決してタイプが丸被りだからと言ってスカタンクドラピオンのどちらかが使われることがない、ということはありません。お互いに得手不得手がはっきりしているので、自分のパーティと相談しつつ上手に使い分けてあげましょう。


スカタンクの技考察

【物理技】
かみくだく /威力80(一致120)/命中100/遺伝技/20%の確率で相手の防御を1段階下げる。
スカタンクの主力技。しかし、A特化しても無振りラティオスが中乱数1発止まり。

ふいうち /威力80(一致120)/命中100/前作教え技(注2)/先制攻撃(優先度+1)。ただし、相手が攻撃技を選択していないと失敗する。
強力な一致先制技。交代や補助技に注意。これ単独ではさすがに不安なので「おいうち」や「かみくだく」と併用すると良いでしょう。

つじぎり /威力70(一致115)/命中100/Lv技/急所に当たりやすい(急所ランク+1)。どちらかというとドラピオン(スナイパー)向けの技のような気が

しっぺがえし /威力50(一致75)/命中100/技マシン/後攻時、威力が2倍の100(一致150)になる。
素早さに努力値を割かない場合(下降補正にする場合)は上記悪技よりも威力が高くなることが期待できます。

おしおき /基本威力60(一致90)/命中100/相手の能力が上がっているほど威力が高くなる。
威力は、60+(20×能力変化数合計(上昇しているものだけの合計))。「いばる」を1回使えば威力は100(一致150)になります。相手が自主的に能力を上げてきた場合(特に「めいそう」や「ちょうのまい」)はカモ。

おいうち /威力40(一致60)/命中100/遺伝技/相手が交代しようとしたとき、威力が倍の80になる。
逃げそうなエスパーやゴーストポケモンを狩れます。「ふいうち」とのセットがおススメ。

イカサマ /威力95(一致142)/命中100/遺伝技・教え技/相手の攻撃力を利用してダメージを与える。
「いばる」との併用で。攻撃に努力値を割かなくていい分、耐久に回せます。

どくづき /威力80(一致120)/命中100/技マシン/30%の確率で相手を毒状態にする。
もう一つの主力技。

だいばくはつ ノーマル/威力250/命中100/Lv技・技マシン/使用後、自分は瀕死になる。
第5世代で弱体化したため、「おきみやげ」のほうが優先順位は高くなるでしょうか。それでも大ダメージを与えることには変わりありませんが(目安として、無振りラティオスが75%の乱数1発)。

フェイント ノーマル/威力30/命中100/Lv技/先制攻撃(優先度+2)。
「ふいうち」習得が困難な場合、入れておくと自分よりも早いポケモンの先制技よりも早く出せたりして便利です。

じゃれつく フェアリー/威力90/命中90/遺伝技/10%の確率で相手の攻撃を1段階下げる。
6世代で新規習得技。格闘タイプへの攻撃手段はこれだ!

(注2)PDW産のスカタンクスカンプー)も「ふいうち」を覚えていますが、特性が「するどいめ」になってしまうので第4世代をきちんと用意しましょう。

【特殊技】
アシッドボム /威力40(一致60)/命中100/Lv技/相手の特防を2段階下げる。
ドラピオンよりも特攻が高く、71というのはそれほど悪くはない。ということで、アシッドボムの助けを借りての特殊型も充分考えるに値します。

バークアウト /威力55(一致82)/命中95/技マシン・遺伝技/相手の特攻を1段階下げる。
こちらもタイプ一致で使える、相手の能力を下げる技。物理型とはちょっと違ったスタイルで戦うことができます。

だいもんじ 炎/威力120/命中85/技マシン/10%の確率で相手をやけど状態にする。
鋼タイプに有効。物理アタッカー(C下降補正)であっても候補に入ってきます。ただし、4倍弱点相手でも確2止まりなので注意。参考までに下にコラムとして仮想敵とそれを倒すために必要な努力値を掲載したので参考にしてみてください。

ゲップ /威力120/命中90/Lv技/きのみを消費したターン以降で使用可能という、変わった新技。

【変化技】
どくどく /命中必中/Lv技・技マシン/相手を猛毒状態にする。
耐久型のダメージソース。

おきみやげ Lv技/自分は瀕死になるが、相手の攻撃と特攻を2段階ずつ下げる。
死に際の味方へのサポート。「だいばくはつ」弱体化のため、こちらのほうが役立ちそう?

みがわり 技マシン/自分の最大HPの1/4を削って分身を出す。
用途は様々。「いばみが」をやったり「ふいうち」を決めやすくしたり。

いばる 命中90/技マシン/相手を混乱状態にするが、代わりに相手の攻撃を2段階上げる。
相手の行動を妨害しつつ「イカサマ」の威力を上げるために。

いやなおと 命中85/Lv技/相手の防御を2段階下げる。
命中難ではあるが、「いばる」「イカサマ」とのコンボは凶悪かつ害悪。

ちょうはつ 命中100/技マシン/3~5ターンの間、相手の変化技を使えなくする。
耐久型を機能停止に追い込みます。

COLUMN. 鋼タイプ対策
C下降補正だいもんじ
・H252振りハッサムが確2 →帯以上のアイテム持ちで確1
・H252振りナットレイが確2 ※珠を持ってもなお確2。
・D特化ナットレイが中乱数2 →珠持ちで確2。
・H252振りメタグロスが確3 →珠持ちでも中乱数2。

【C無補正のだいもんじ
・H252振りハッサムが中乱数1発 →C44振りまたは帯以上のアイテム持ちで確1
・H252振りナットレイおよびD特化ナットレイが確2 ※火力アップアイテム持ちでもなお確2。
・H252振りメタグロスが確3 →C172振りまたは珠持ちで確2

Cの振り過ぎに注意しましょう。せいぜい「44」が限度です。

・・・メガハッサム? メガメタグロス
いなかったことにしたい。


▼私のスカタンク育成記録
(注)ここに掲載していたダメージ計算は全て削除しました。また、コメントも基本的に5世代の流用なので、今の世代にはそぐわない記述もありますので予めご了承ください。

(1)物理アタッカー型

努力値:0-252-0-0-0-252
物理アタッカーを名乗っていますが、対鋼意識で「だいもんじ」を搭載しています。「ようき」なのでC下降補正がかかりますが、それでも4倍弱点はおおむね確2で倒せるだけのダメージが入ります。
メインの悪技として「ふいうち」と「かみくだく」の2つを用意。状況に応じて使い分けています。ちなみに、H4振りラティオスが低乱数1発という程に火力が不足しています。威力80だとこんなもんですかね。「あくのジュエル」で火力補強しています。
「どくづき」は格闘対策として採用しています。これも威力80と控えめですが、そこは3割という高い状態異常でカバー。

ジュエルなき今は、大抵「シュカのみ」を持たせています。

(2)両受け型

努力値:208-0-252-44-0-4
努力値はHBベースで、Cに44。すなわち、「HP振りハッサム」を確1で落としたいという狙いがあるわけです。
他の仮想敵としてはクレセリアを始めとする耐久霊・超。「めいそう」を積もうにも「バークアウト」や「アシッドボム」でプラマイゼロに。ポリゴン2にも強くなります。
スカタンクにはBを上げる手段がないので最初からほぼB特化。Dについては一応「バークアウト」で相対的に上げることができるので。
「アシッドボム」は連打するだけでプレッシャーを与えられる優秀な技。ただし、それ止まりなので決定打を決め込むことはできない。あくまでも「じわじわ」と。


(3)おしおき型

努力値:4-252-0-0-0-252
威力80じゃもの足りない! ということで何とかして「おしおき」を使えないかどうか考えてみました。相手の能力が上がっているほど威力が高くなるという面白い技で、計算式は、60+(20×能力変化数合計(上昇しているものだけの合計))です。「いばる」を1回使うと攻撃が2段階上昇するので、威力は60+(20×2)=100になり、タイプ一致も考慮すると150ということになります。あとは「みがわり」を張るなり「いやなおと」で嫌がらせをエスカレートさせるなりしていきます。
ちなみに、繰り返しの説明になりますが、あくまでも「上昇しているものだけの合計」ですので、「いやなおと」で防御が2段階下がってもそれは無視されるので、アンチシナジーにはなりませんのでご安心ください。
この型のデメリットは2つ。1つは、「おしおき」のPPが最大でも8なので、どんなに運ゲーを乗り越えたとしても長居できないということ。しかも、特性「プレッシャー」が相手だとすぐ尽きます。「いやなおと」か「みがわり」を削って「おいうち」を入れてもいいかも知れません。もう1つは、初手の「いばる」を外した瞬間、負けフラグが立つこと。所詮、この型はすべて運に左右されますし。

(4)スカーフ型

努力値:0-252-16-0-116-124
スカーフスカタンク、略して「スカフタンク」。S124は「最速ラティオス」抜き調整。D116は「C無補正252振りラティオスりゅうせいぐん」確定耐え調整。A特化することで「H4振りラティオス」を中乱数1発。
ご覧の通り、ラティオスを意識しまくっている型ですね。スカーフを巻かずに「ふいうち」しても同じ中乱数1発で倒せることに違いはないですが、交換の可能性(「おいうち」読みで躊躇するかも?)や補助技の可能性も考えられるので安定して狩ることが難しいと学び取りました。そこで、スカーフで上から噛み砕いた方がいいだろうと思いつきました。
では、なぜDに振っているかと言うと、相手のラティオスもスカーフの可能性があるからです(だいたいスカーフかメガネですよね)。つまり、相手がメガネ型、スカーフ型のどちらでも対応できるように考えてあるのです。

(5)運ゲー

努力値:84-252-84-0-84-4
いわゆる「いばみが」「いばサマ」。ひかりのこなを所持することでますます害悪さに拍車をかけています。友達をなくしてもいいという方にお勧めです。

(6)アシボンゲップ型

努力値:84-0-84-252-84-0 あとの4どこいった・・・
第6世代で最もお気に入りのスカタンクの型はこれ。基本はアシボで特防を下げつつ、ゲップで一気にHPを持っていく戦法。状況によってはバークアウトを織り交ぜます。特にマルチバトルではそっちが中心ですね。
特性「かちき」などには要注意。

(7)物理アタッカー【ORAS版】

努力値:0-252-0-4-0-252
新技「じゃれつく」を採用してみました。これで格闘への明確な打点が手に入りました。代わりに削ったのは「ふいうち」。この2つの両立は未だ実現しません。
この型も(1)同様、物理アタッカーを名乗っていますが「だいもんじ」入りです。


以上でスカタンクのお話は終了です。ご覧いただきありがとうございました。
考察を深めていくとスカタンクって意外と面白いですよね!

…私はそれでもドラピオン派ですからね!


記事投稿日:2013/4/30
最終更新日:2015/7/11