テクニシャンロズレイド考察

「ロズレイドのお話」本編はこちら。

▼テクニシャンが適用される技は・・・？

(1) めざめるパワー　これが最重要です！通常、威力は70を粘りますが、今回は59や60を狙って1.5倍補正がかかるようにします。なぜ59なのかは後述参照。
(2) マジカルリーフ　威力60の必中技。テクニ補正で90、タイプ一致込みで135です。主力技リーフストームに威力は劣りますが、連打ができる点や必中である点で既に差別化できていますが、採用のメリットはあるのかどうか、詳しくは後ほど。
(3) くさむすび　与えるダメージは相手の体重依存で、20～120と変化します。これも詳細は後ほど述べます。
現実的に有用であると思われる技が以上の3つです。物理技に「しぜんのめぐみ」や「はっぱカッタ―」がありますが、今回はスルーします。タネマシンガン（第4世代の技マシン）との両立ができたらよかったんだけどなあ。

▼めざめるパワーの理想個体値は？威力は60でいいの？

テクニシャン補正をかけるには威力は60以下に抑えなければなりません。さらに、威力70のときのように必要能力すべてにUやVをもってくることは不可能です。具体的には、威力を60（補正で実質90）にすると最速が不可能となる代わりに特攻のU・Vは維持されます。また、威力を59（補正で実質88）にすることで最速が実現する（注：タイプによっては無理）代わりに特攻の個体値が少し低くなります。つまり、テクニシャンにおけるめざめるパワーの威力と個体値はトレードオフの関係にあると言えます。威力60と59のときの理想個体値を以下にまとめてみました。
【威力60（実質90）】
めざ氷：29-4n-28-31-31-29
めざ炎：29-4n-29-30-31-28
めざ岩：29-4n-28-31-30-28
めざ地：29-4n-29-30-30-29
【威力59（実質88）】
めざ氷：31-[4n+2]-30-29-31-31
めざ炎：31-[4n+2]-31-28-31-30
めざ岩：30-[4n+2]-31-29-30-30
めざ地：31-[4n+2]-31-28-30-31
さて、めざパの威力はどちらを採用するのが好ましいでしょうか。上の表をもう一度ご覧ください。威力60の場合は、特攻は高いまま保たれていますが、素早さのみならずHPや防御も若干低くなっているのが分かります。威力59の場合は、特攻は若干低くなってしまいましたが、HPと防御と素早さはUVを実現できます。前述の基本データにもある通り、特攻種族値は125もあるので個体値が28や29にさがったところで特に支障は出ませんし、素早さは他のどのステータスよりも重要な要素ですし、そして何より絶望的な防御種族値を考慮すると防御個体値を28まで下げてしまうと、耐久に努力値を振る場合、その努力値が増えてしまって他が疎かになりかねません。結論としては、威力59を採用するのが妥当ではないかと考えます。

▼ダメージ計算例

実際にいくつか仮想的を立ててダメージ計算をすることで、テクニシャンめざパの実力を実感しましょう。威力は59（実質88）で計算します。
【めざ氷59（実質88）】
・vsカイリュー（マルチスケイル・耐久無振りと想定する）
　　ひかえめ・こだわりめがね・C252振りで96.3%～114.4%のダメージ[乱数1発 (81.3%)]
　→威力60（実質90）だとぴったり100%です。なんと、あのマルチスケイルを貫通してしまいます。
・vsガブリアス（H204D4　いわゆる209ガブ）
　　おくびょう・C252振りで107.1%～126.3%のダメージ[確定1発]
　→スカーフ装備を想定しておくびょうで計算。C180から確定1発なので残りをほかに回す手もあります。ちなみに、威力70だと同じくおくびょう・C252振りで93.7%～111%のダメージで乱数1発（56.3%）。

・vsサザンドラ（耐久無振り）
　　ひかえめ・C252振りで69.4%～82.6%のダメージ[確定2発]
　→実は威力70のときと確定数は同じです。
・vsドンカラス（耐久無振り）
　　ひかえめ・C252振りで101.7%～120%[確定1発]
　→抜群をとれる低耐久ポケモンなら確定1発で倒せます。
【めざ炎59（実質88）】
・vsハッサム（D特化）
　　ひかえめ・C236振りで101.6%～119.7%[確定1発]
　→威力70では確定2発だったところ、1発でもっていきます。

・vsナットレイ（D特化）
　　ひかえめ・C252振りで77.3%～92.8%[確定2発]
　→威力70のときと確定数は同じです。いのちのたま以上の火力増強アイテムで確定1発になります。4倍とはいえやはり硬いですね。

・vsメタグロス（H252）
　　ひかえめ・C252で62%～73.7%[確定2発]
　→威力70のときは乱数2発（45.3%）でした。
【めざ地59（実質88）】
・vsヒードラン（H252）
　　ひかえめ・C252で103%～123.2%[確定1発]
　→威力70だと惜しくも確定2発。テクニシャンで本領発揮と言えそうですね！
【めざ岩59（実質88）】
・vsウルガモス（H252）
　　ひかえめ・C252で106.2%～127%[確定1発]
　→威力70だと乱数1発(18.8%)でした。こちらもテクニシャンで強化！

めざめるパワーのまとめ
氷・炎・地面・岩。すべてにおいて明らかな強化を見ることができます。従来では1発で倒せなかった敵が倒せるようになるのは大きな進歩といえるでしょう。

▼草技はやっぱりマジカルリーフのほうがいいの？

マジカルリーフの素の威力が60なので、テクニシャン補正で90になります。さらに必中という効果があるので特に「ちいさくなる(回避2段階アップ)」を積む相手に有効であるように思えます。それでは、「ちいさくなる」を使用できるポケモンを列挙してみます。
ピクシー、ベトベトン、ラッキー、スターミー、ハリーセン、ドーブル、ハピナス、フワライド、シャンデラ
以上の9匹が該当します。しかし、このうちベトベトン、フワライド、シャンデラはくさタイプの技を半減してしまいます。また、特防の高いラッキーとハピナスに当てたところで大したダメージを与えることはできません。よって、必中マジカルリーフが積んでいる相手に有効なのは実質4匹のみとなるので、マジカルリーフを「ちいさくなる対策」と位置付けるのは困難でしょう。リーフストームのように使用後能力が下がることもないし、はなびらのまいのように行動が拘束されることもないし、ただ単に「使い勝手の良いメインウェポン」と割り切るしかないです。ただ、それらの技に比べて威力が劣るのでテクニシャンだからといって無理にマジカルリーフを採用する必要はないです。

▼くさむすびは使えるだろうか？

くさむすびは相手の体重によって威力が変動する技です。以下に体重別の素の威力と、テクニシャン補正をかけた威を記載します。議論を簡素化するためにタイプ一致は考慮しません。
10.0kg以下：威力20　→補正30
10.1kg～25.0kg：威力40　→補正60
25.1kg～50.0kg：威力60　→補正90＝テクニシャンマジカルリーフ
50.1kg～100.0kg：威力80
100.1kg～200.0kg：威力100
200.1kg以上：威力120
ここで、テクニシャン補正をかけた威力が
　(1)くさむすび＞マジカルリーフ　←くさむすびの威力が100と120のとき
　(2)くさむすび＝マジカルリーフ　←くさむすびの威力が60（補正90）のとき
　(3)くさむすび＜マジカルリーフ　←くさむすびの威力が20（補正30）、40（補正60）、80のとき
となる場合に分けて考えてみましょう。(1)と(2)に該当するポケモンが多ければ多いほど、くさむすびを採用することが好ましく、逆に(3)に該当するポケモンが多いとマジカルリーフのほうがよいと言えるでしょう。
くさむすびを打つ相手としては抜群の取れるみず・いわ・じめんと、数々の等倍の取れるタイプとなります。量が多いので、その中でも抜群の取れる相手を威力別に列挙してみます。

▼威力120[(1)のケース]　カバルドン、ギガイアス、ゴルーグ、ゴローニャ、テラキオン、ドサイドン、バンギラス、ホエルオー、マンムー、ラプラス、レジロック　▼威力100[(1)のケース]　ジュゴン、スイクン、ソルロック、トドゼルガ、ドンファン、ルナトーン、ネンドール、パルシェン、ブルンゲル、ミロカロス、ラムパルド
▼威力60（補正90）[(2)のケース]　アズマオウ、ウソッキー、オクタン、オムスター、カブトプス、ガラガラ、ダグトリオ、サンドパン、シザリガー、シャワーズ、トリトドン、ニョロトノ、ハンテール、ビーダル、ヒヤッキー、フローゼル、ママンボウ、マリルリ

・・・(3)のケースは省略させていただきます。ロトムやトリトドンなどが含まれています。
いかがでしょうか。あなたがロズレイドで倒したいポケモンは上のリストに載っていましたか？たくさん載っていたのでくさむすびを採用しようという方、ちょっと待って下さい！

以下に、マジカルリーフを使用した時のダメージと併せて、くさむすびのダメージ計算例を載せてみます。こちら側のロズレイドはすべてテクニシャン・ひかえめ・C252振りの特化状態です。
・vsカバルドン（D特化）
　くさむすび→90.2%～106.9%のダメージ[乱数1発（43.8%）]
　マジカルリーフ→67.9%～80.9%のダメージ[確定2発]
・vsミロカロス（D特化）
　くさむすび→57.4%～68.3%[確定2発]
　マジカルリーフ→50.4%～60.3%[確定2発]　変わらない！
・vsバンギラス（H252・すなあらし中）
　くさむすび→70.5%～84%[確定2発]
　マジカルリーフ→53.1%～63.7%[確定2発]　これも変わらない！
メジャーどころを調べてみましたが、確定数が変わるのはカバルドンぐらいです。ここまで引っ張っておいて恐縮ですが、マジカルリーフとくさむすびのどちらがよいのかというと、ぶっちゃけマジカルリーフのほうが総じて安定します（笑）。
これにてテクニシャンロズレイドの考察は終わりです。意外にもテクニシャンの恩恵をフルに得られる技がめざパしかなく、使いこなすのが難しいようにも見受けられますが、充分強いと思います。最後に、「しぜんかいふく」ではないので状態異常には注意しましょうね（笑）